令和7年度達成式典謝辞
皆様、本日はご多忙の中、令和七年度 奈良県倫理法人会 達成式典にご臨席賜り、誠にありがとうございます。また、この輝かしい式典を恙なく開催できますこと、心より厚く御礼申し上げます。
ただ今ご紹介いただきました、第九代会長を務めております寺尾俊一でございます。
令和七年度、奈良県倫理法人会に課せられました普及目標は405社という高いものでしたが、皆様のたゆまぬご尽力と倫理への深いご理解、そして日々の実践の賜物として、去る5月19日、見事その目標を達成いたしました。また、本日さらに素晴らしいご報告ができることを大変喜ばしく思っております。なんと、最終的には目標を大きく上回る415社の達成となりました。つまり、わずか1ヶ月弱の間、目標を達成したあとでも弛むことなく10社もの増社を成し遂げた皆様の熱意と行動力に、改めて深く敬意を表します。
加えて、長きにわたる私たちの悲願でありました「全国47位」からの脱却も、皆様の力強い後押しによって実現いたしました。それどころか、46位をも追い抜き、全国45位へと大きく躍進することができました。この目覚ましい成果は、奈良県倫理法人会に関わる全ての皆様の情熱と努力の結晶に他なりません。
さらに、奈良中央準倫理法人会が念願の100社に到達され、来る6月22日には設立式典が盛大に執り行われる運びとなりました。この慶事に際し、ご尽力された皆様に心よりお祝い申し上げます。
私はこの5年間、奈良県倫理法人会普及拡大委員長、幹事長、そして3年間の会長という重責を担ってまいりました。倫理法人会の活動を一本の樹木に例えるならば、「花や実」とは一体何なのか――その問いを常に胸に抱きながら活動してまいりました。その捉え方は様々かと存じますが、私が奈良県会長職を拝命した3年前、「花や実」とはすなわち、全国に約750ある単会、そして奈良県においては4つの単会そのものであると位置づけました。
各単会こそが主役であり、それぞれが美しく誇らしく花を咲かせ、単会長が光り輝く存在であってほしい。その強い信念のもと、県会長としての運営に取り組んでまいりました。そして、県の役員の役割とは、樹木における「根」のような存在――目には見えないところでしっかりと養分を吸収し、それを各単会へと絶えず送り届け続ける存在であると考え、この3年間、その役割を徹頭徹尾、全うしてまいりました。
本日、こうして各単会が見事に花を咲かせ、豊かな実を結び、その美しい姿を誇らしげに咲き誇っているのを目の当たりにし、深い感慨を覚えずにはいられません。
もちろん、これらの成果は決して平坦な道のりではありませんでした。三年前、自身の力不足を痛感しながら県会長という大役を拝命した私は、幾度となく重圧に押し潰されそうになる日々を送りました。「この歳になって、なぜわざわざ茨の道を選ぶのか」と自問し、会社経営に専念していた方がどれほど気が楽だっただろうかと感じたことも一度や二度ではありません。
しかし、今振り返れば、この重責を担わせていただいたからこそ見ることができた、かけがえのない景色がありました。それは、人の絆の尊さ、温かい思いが連鎖していく力、そして何よりも「自己革新」という名の貴い果実でした。会長職は、私にとって何物にも代えがたい、貴重な学びの場となりました。
今回の415社という素晴らしい達成は、決して終着点ではなく、来る500社、そして40周年に向けた10単会・1,000社体制という壮大な目標への確かな出発点に他なりません。私たちの活動は、単なる数の追求ではなく、倫理の実践を通じて社会に希望の光を灯す「世直し」そのものです。企業倫理の実践を通して、家庭、地域、社会、そしてこの国全体をより良い方向へと導いていく――それこそが、私たちに託された揺るぎない使命であります。
今、自らの役割を終えようとするこの大切な節目に、私は次の世代へ何を残すべきかを真剣に考えております。倫理のお役目とは、決して個人の所有物ではなく、一時お預かりしているもの。後に続く人々のために、しっかりと畑を耕し、空気を澄ませ、未来の子どもたちが安心して生きていける美しい「地球をきれいにする」――それは、私たちの活動が目指す象徴的な営みに他なりません。
「命のバトン」を繋ぐために私たちは生きているのだとするならば、倫理法人会の活動もまた、その尊いバトンを繋ぐ一環として捉えるべきでしょう。これまで倫理の灯火を消すことなく大切に受け継いでくださった歴代の先達に、心からの感謝を捧げるとともに、その温かい火をしっかりと次世代へと手渡していく責任を、今改めて強く感じています。
幸いなことに、次なる奈良県倫理法人会のリーダーには、優れた資質と燃えるような熱意を持った素晴らしい方々が名を連ねておられます。私は一人の応援者として、これからも微力ながら全力で支え続けていく所存です。
結びになりますが、これまで賜りました皆様の温かいご厚情と力強いご支援に、改めて心より深く感謝申し上げます。今後とも、この倫理の道を皆様とともに歩み続けられることを切に願い、私の謝辞とさせていただきます。
三年間、本当にありがとうございました。
令和7年6月8日
奈良県倫理法人会 第九代会長
寺尾俊一
