2024年4月 県会長あいさつ

運と実力の相関について
~運を自ら掴む習慣を実践する~

四月を迎え、春らしく穏やかな気候に心和む季節となりました。桜も満開であちらこちらにカメラでその美しさを残しておこうと季節を大切にする人々を見かけます。私は倫理を学び始める以前はこの季節感に全く興味がありませんでした。例えば、家族や友人から「桜が満開だから花見に行こう」と誘われても、「桜なんか去年も見たわ」と平然と言ってのける人間だったのです。倫理を学んでからは、この桜の季節になるたびにこのエピソードを持ち出され、からかわれています。

振り返れば、当時の自分は、世の中は自分中心に回っているという、極めて幼稚で自己中心的な考えをしていました。地球という大いなる存在によって生かされているという真実は心のどこにもありませんでした。このエピソードは、恥ずかしながら倫理を学び始める以前の私がどれだけ傲慢な人間だったかのお知らせであります。

さて、今回は、「運」について様々な角度からお話し致します。今まで、組織論をはじめビジネスに集中したテーマで話してきましたので、「ここにきて急にスピリチュアル系?」と不思議に思った方もいらっしゃると思います。確かに、もともと「運」とは「人知を超えた作用」とされています。例えばその人の意思や努力ではどうしようもない巡り合わせなどがそれにあたります。

しかし、最近では、社会のしくみに於いて「構造に基づいた確率の結果が運と呼ばれている」という考え方をする人も現れてきました。例えば、ある交差点で年間に起こる交通事故の件数は、その構造(信号機の機能や停止位置など)を変えなければ毎年ほぼ同じになると言われています。構造を変えない限り結果的に事故の確率は同じ結果になるのです。つまり、私たちの目に見えている現象の多くは、その構造(システム)によって定められた確率の結果なのです。

 結果、「運を掴む」ためには、「社会のしくみを構造的に理解しコントロールすること」が必要なのです。平たく言うと、自らの事業を成功させるためにまず行うべきことは、私たちを取り巻く政治経済、法や制度、教育システム、家族、社会習慣、 医療システムなど、私たちに関わる社会のしくみを構造的に捉えることが大切なのです。社会で成功している人の多くが知性ある人です。皆、努力をしているのです。「そんな回り道をしていられない」思われるかもしれませんが、日本には素晴らしいことわざがありますね。「急がば回れ」と。

では、具体的な話に入りましょう。上に照らし合わせれば、マーケティングとは成功確率を上げるために構造を変え整えることです。これは「完全な運」と考えるよりは「ある程度操作できる確率」捉える方が現実的です。あなたが望む結果を得るためには、社会のしくみを理解しつつ、あなたの分野で必要な要素を検証し、現時点で最も大切な要素を見極める必要があります。

 わかりやすい例を挙げると、受験です。受験の合格確率を上げるためには何が必要か。闇雲に全ての科目を等しく勉強するよりも、目指す学校を明確に、その学校がどの科目にどれだけ比重を置いていて、どれくらいの実力が必要なのかを見積る。そして、それに見合った実力を身につけるために必要な勉強時間を算出する。このようにして合格、つまり成功の蓋然性を高めていくのです。これには、それぞれのポイントにおいて、物事を見極める分析力や戦略が必要になってきます。仕事で言うと、はじめに結果の報告書を作成し仕事の進行とともに空欄を埋めていくやり方に似ています。とにかく、やれることではなく、やるべきことをするのです。「結果はコントロールできないけれど、行動はコントロールできる」というのはまさにこのことでしょう。

運とは、人生を幸福の方向へと導いていく働きです。あなたの人生で本当に手に入れたいものは何か?なにが起これば自分は幸せになるのか?このようにゴールを最初に設定し、逆算して、目標に辿り着くために時間や労力を使ったり準備をしたりすることが一番大切です。そうすると不思議とたとえ出た結果は変わらずとも、信念を以て準備をしたのと、そうでなかったのとでは、その結果の捉え方が大きく異なります。前者は、「信念を成功のために構造は整えることはできた」という自信を持って何度も何度もチャレンジする心意気をもつことができるでしょう。後者は、後悔ばかりで次のチャレンジが怖くなるかもしれません。

 しかし、私たちには、倫理の学びと実践があります。結果に関係なく笑顔で、明朗快活、前向きな気持を引き寄せる教えを知っています。  

失敗しても大丈夫です。なぜなら、命までは持っていかれないからです。また、運―つまり成功の確率は、「成功体験」を積み重ねることも重要です。成功体験を積み重ねているということは、ポジティブなマインドだけでなく、それ相応の知識や戦略が備わっているからです。

さて、この世には幸運と不運がそれぞれに混在しているのでしょうか。私は一人の人間が一つの現象を幸運だと捉えるのか、または不運だと感じるのか、その人自身の内なる心の捉え方に依ると考えています。「幸運か不運かは自分次第できまる」と行動して運を味方にし成功する人の話を耳にしたことがある人も多いかと思います。コロナ等、国に危機が起ったときのことを思い出して下さい。このような不運と言われる状況が来たときにそのことを嘆いて何も行動しない言い訳にし、潰れていったらば不運、逆に日頃から自分を磨き上げ、前向きに取り組んで逆にピンチをチャンスにできたら幸運なのです。そもそも、自然災害等は、長いスパンで考えると、おおよそ同じ確率で遭遇すると言われています。火事などの過失によるものも年間の数は毎年ほぼ同じですから、常日ごろからリスクヘッジしておくのは「不運」の確率を下げることにつながるのではないでしょうか。

最近、成功している企業家方の特集を読む機会がありましたが、不思議と皆、見返りなく人に与えているのです。それも、価値を提供している。それが喜びになっている。そうした方々たちの周りは、与えたものが循環しているようでした。これは、倫理にも当てはまります。例えばお役の練習です。多くの方は子供の頃から今まで「得方」しか学ぶ機会がなかったと思います。ですから、難しいことかもしれませんが、「与え方」を倫理のお役でぜひ練習していただきたくお願い申し上げます。与え続けていると自己肯定感が高くなります。自己肯定感とは、「他人と比較せず、ありのままの自分を肯定し、好意的に受け止めることができる感覚」のことを指し、幸福に大きく影響する感覚です。どんな小さなことでも良いです。例えばエレベーターで「開」ボタンを押して他の方に先に降りてもらう程度の小さなこと。少しハードルが高いかもしれませんが、夫婦間で日ごろの感謝の気持ちを言葉にすることも双方にとって自己肯定感の上がる大切なコミュニケーションだと思います。

また、成功者だけでなや、スカウトのプロたちは、とにかく行動量が多く、機会の数を増やすことで、ぐんと成功率をあげています。例えば、渋谷の交差点で、ボウリング場で、スーパーで、公園で、カフェで声を掛けます。もちろんたくさん断られています。しかし彼らのマインドは「失敗はゴールではなく通過点」なのです。私たちは、臆病になって機会損失をし、成功率を下げてはいないでしょうか。当たれば当たるだけ、成功確率はあがり、幸運になる。そう信じて、今一度この文章を読み返し、マインドセットをしていただきたいです。

 最後に、世間でよく見られる「運がいいと思っている人の特徴」をご紹介いたしますので、興味のある方は参考になさってください。

・良好な人間関係 
・仕事が好きな人が周りに多い
・気持ちの切り替えが上手
・自分や他人、物事のプラス面を見ている
・新しいチャレンジをしている
・運動をしている(運を動かす)
・朝型人間である
・一人の時間を大切にする
・片付けが上手
・見返りを求めない利他の精神
・神仏を大切にし、墓参など、祈りを大切にする
・謙虚さを忘れず、他者や自然への感謝の気持ちを持つ
・完璧主義に陥らない
・自己肯定感が高い
・笑顔でいるようこころがける
・「思考は現実化する」と考える
・悪口を言わない
・年初目標を立て、年末にいくつ覚えているか振り返る

いかがでしたでしょうか?

奈良倫理法人会は、事業に関わる様々な事柄、そして何よりも人間性を切磋琢磨する団体です。まずはモーニングセミナーにぜひお越しくださいませ。

万物の息吹を感じる季節です。皆様、そしてご家族、従業員のみなさまのご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。

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