2023年3月 県会長あいさつ

「奈良の春は東大寺のお水取りから」と言われているように、最近は暖かい日も増え、日毎に春を感じる今日この頃、日ごろ倫理での活動を真摯に取り組んでいる皆様の事業にも春が訪れているのではないでしょうか。

 さて、今月の21日は春分の日です。この日は現在でも宮中祭祀の一つとして春季皇霊祭が行われており、戦前から今日に渡って日本において大変重要な日となっています。この日を挟んだ時期がお彼岸であり、昔からお墓参りなど先祖を供養することが習わしとなっています。2023年の春のお彼岸は、3月18日(土)が彼岸入り、3月21日(火)の春分の日が中日で、3月24日(金)が彼岸明けとなっています。皆様方の命を繋ぎ、今も何処かから見守って下さるご先祖様のお墓参りをしてぜひ感謝の気持ちを伝えていただきたい。

私は長年「Let’s お墓参り」と称したお墓参り推進プロジェクトを続けております。仕事柄、様々なご家族を見ていますが、先祖供養を欠かさない人は不思議と豊かな人が多いです。また、お墓で先祖と向き合う中で自らの魂が研ぎ澄まされると感じています。さらに、お墓はまるでパワースポットのような働きをすることが多くあり、気運が高まったり心が元気になったりするのです。まだ疑心暗鬼の方も多いと思いますが、ぜひ、お墓参りをして皆さんの目で確認していただきたくお願い申し上げます。

ここで少し時間を戻しまして、2月14日、15日に大阪にて開催された近畿方面会についてご報告いたします。近畿2府4県の代表者150名強が集まり、年度前半の振り返りと後半への決意を新たにしました。奈良県からも中間目標達成単会である奈良市倫理法人会が代表で取り組みを発表し、また私自身も奈良県会長としてこの半年の活動を報告致しました。

方面会2日目の朝は、今年度倫理研究所全体で取り組んでいる「人は鏡の実践」の報告があり大変勉強になりました。これを奈良県に持ち帰って皆様の実践に落とし込んでいく必要性を強く感じました。自分自身は常々「人は鏡の実践」に真摯に取り組んでいるつもりではありますが、心新たに皆様と共に学び、実践していきたいと考えています。

さて、とうとう3月後半戦、年度末の戦いが始まりましたが皆様いかがでしょうか。この半年間、様々な行事を行う中で私共の初志である「モーニングセミナーに一点集中する」という目標が徐々にブレてしまっていると感じます。再度MS委員会と共に質の高いモーニングセミナーを開催できるよう問題点を洗い出し改善していきます。

普及目標に関して申しますと、期末目標に向けてのスタートを切り、各単会それぞれの目標に向けて、あらゆる方法を模索し取り組んでいただいています。

アインシュタインは「同じことを繰り返して、違う結果を期待するのは愚の骨頂である。」と言いました。今までとは異なる結果を得たいのであれば、新しい行動や習慣を選択する必要があるということです。さらに言えば「得る結果」を変えるためには、先ずその因となる自らが「与えるもの」を変えなければなりません。

 「与えるもの」を変えることに関して私の経験を述べますと、自分にとって都合の良い楽な選択ではなく、都合が悪く困難な選択をしたときにこそ、良い結果を得ることができました。様々な先人の自著伝などに目を通すと同じような事例が多いように感じます。とにかく、思考停止することなく価値創造し新しいものを「与える」ことを考えましょう。具体的には今後「人は鏡の実践」の中で共に学んで参りたいと思います。

 ところで、「人間は食べたもので身体ができ、聞いた言葉で心ができている」と言われています。同様に、「未来は自分が発した言葉でできる」とも言われます。ですから自分が発する言葉にはよくよく気をつけなくてはなりません。

私はしばしば「足りないこと」にばかり固執している人の言葉を聞くことがあります。例えば「お金持ちになりたい」、「幸せになりたい」というのが代表例です。「お金持ちになりたい」という人は「お金がない」と言っているのと同義です。同様に「幸せになりたい」と言う人は「幸せではない」と言っていることになります。

「足りないこと」を意識すればするほど、様々な欠落のある現実がその人に押し寄せてきます。

 皆さんも日頃使っていると思われる「……たいと思います」という言葉があります。口癖のようになっているので無意識だと推察しますが、私はそれを聞くたびに「この人は上手くいかないのではないか?」と考えざるをえません。その気持ちは「……たい」、「……と思う」だけに過ぎないのでしょうか。意欲や熱意、そして実行力が言葉からは感じ取ることができません。

発する言葉、口癖は自分が長年にわたって形成した習慣です。つまり自分自身に責任があるということです。今日から日常的に意識して自らの習慣を変えるよう取り組んでみてください。意識化することで思考と行動が変化します。始めは難しいかもしれません。しかし努力を惜しまず自分を律することができれば、目標へ邁進できる習慣がきっと身につきます。そして今日から明日、明日から未来へと、人生が向上していくきっかけになります。

と申しましても、このことに限らずセミナーなどで良い話を聞いても、なかなか実行に移せない方も多いと感じています。言葉遣いや整理整頓、「今すぐに取り組むのが最善であると分かっているにも関わらず先延ばしをしてしまう」という悪習慣があるからです。今すぐに取り組むことが最善であるならば、そうするのが当たり前のことです。しかし「当たり前のことを当たり前のこととして、ささっとやってのける、徹底する」というのは案外難しいことです。四字熟語では凡事徹底と言いますが、トップをはじめ末端まで凡事徹底されているところは会社の基礎力が強いと言えるでしょう。

 実は私自身、先延ばしを克服できるようになったのはここ数年、倫理の実践を通してなのです。特に後始末の実践の影響が大きかったと感じています。先延ばしをすると一時的には気が楽になりますが、それは単なる逃避であり、長い目で見ると良いことは一つもありません。先延ばしすることが当たり前になってしまうと、人は遠くにある目標や成果よりも、その場に安住し今ここだけの満足感を優先してしまいます。

 先延ばしする人の心の奥底には「明日はやる気が出るに違いない」という根拠のない言い訳がましい考えがあります。逃げるために、ただそう思いたいだけなのかもしれません。誰にも未来のことなんて絶対にわかりません。たとえ自分のことであっても分からないのが未来なのです。

何度もお話をしていますが、私はアルコール依存症です。アルコール依存症は病気であり、たとえ今は一滴も飲まなくても死ぬまで病気との付き合いが続きます。お酒を断ちたいと思いながら「最後の一杯だけ」と自分に言い訳をしてつい手を伸ばしてしまった経験は何度もあります。しかし、その「最後の一杯」は決して最後にはならないのです。私達人間は今の感情がずっと続くと思い込む性質があります。「最後の一杯だけ」は長く続きません。「最後の一杯」の後にまたアルコールを見たら、同じようにまた「最後の一杯だけ」の言い訳が出て飲んでしまうのです。

私はこの経験を通して、感情云々の前に行動することが非常に重要だと気づきました。お酒でいうならば「今、目の前にあるお酒を絶対飲まない」という行動です。そう決めてしまうのです。「自分の次の瞬間の感情など予測できるわけがない」と割り切ってしまう。それは「自分を過信しないこと」でもあります。「下手な考え休むに似たり」とはよく言ったもので、そういう心持ちでまずは行動することが大切です。

皆様のなかで「行動したいけれど、やる気がない」という方は「やる気」の概念を横において、やる気のないままで良いので、まずは何か行動してください。一旦動いてしまえば弾みが付きます。そのうち勢いが出てきて、その勢いが先ほど横に置いたあなたのやる気に火をつけてくれます。

 人は何かに取り掛かる条件として、やる気や意欲が必要だと考えがちですが、実は全く反対であることがほとんどなのです。やる気や意欲は行動した後から湧いてくるものです。このことを理解し習慣や行動を変えることが皆様にとって大切なことなのではないでしょうか。

 倫理法人会では、今日お話しした内容、その他小手先の技術ではない真に役立つ哲理や実践について常に勉強をしています。ご興味ご関心を持って下さった方はぜひ一度お気軽にモーニングセミナーへお越しください。

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