2023年2月 県会長あいさつ

寒気の中にも早春の息吹が感じられる頃となりましたが、皆様お元気でお過ごしでしょうか。
この2月で倫理法人会はちょうど半期が終わります。つきましては、奈良県倫理法人会は全力でスパートをかけたいと思います。

振り返りますと、普及目標において奈良市倫理法人会は早々に12月末、1年の目標数字を達成しました。1月6日には奈良県倫理法人会会員の皆様と橿原神宮に新年の合同参拝をし、決意を新たにしました。そして、更なる飛躍のための目標数字を設定し、気持ちの良い再スタートを切っています。

 また、飛鳥倫理法人会、大和まほろば倫理法人会においては今期の一番の課題である「人つくり」に驀進し、盛り上がりを見せています。

 さて、先月1月27日から29日、富士高原研修所にて開催された経営者倫理セミナーに奈良県から16名が参加しました。各人が自分の課題に向き合うだけでなく、他府県から来た初対面の方々とチームを組み、課題に取り組むことによってチームワークの重要性を体感できる素晴らしく勉強になるセミナーでした。

 私は今回で4年連続、4回目の参加でしたが、毎年新たな気付きが得られるのは自分が成長したり、またおかれている環境が変化していたりするからでしょう。1年目は奈良市のモーニングセミナー委員長、2年目は奈良県の普及拡大委員長、3年目は奈良県の幹事長、そして今年は奈良県の会長として受講したのですが、倫理法人会活動に於いてだけでも立場が変われば学び、吸収できることが全く変わると感じます。ましてや自社の社業や家庭に於いて考えても大きく成長している自分に気付かされます。このセミナーは奈良県から参加できるのは年に一度の絶好の機会となっています。このセミナーで得られるものは間違いなく社業の発展に結びつきますので、皆さんも来年度はぜひ積極的にご参加されることを心よりおすすめいたします。

 ところで私は年が明けて、1月2日と3日は箱根駅伝を母校である東海大学を気にしながら過ごすことが恒例となっています。今年は箱根駅伝を通して強く感じたことがありました。それは、「10位以内でゴールする」という来年のシード権争いについてです。2日目の復路は毎年のように優勝争いと共に来年のシード権争いが目玉です。自分のためではなく「来年のチームのために精一杯頑張って走る」ということ。それは私たちの社業や生活で言えば「後から来る者のために」ひいては自分亡き後の「未来のために」苦労や我慢や努力をするということです。

農耕民族であった私たちの先祖は、子、孫の代のために田を耕して種を準備していました。

そして、歴史上のある時点までは後から来る者のために海や山、川をきれいにしておくことを良しとしていました。

 私は子供の頃、祖父に育てられました。そのときに強く言われたことを今でも覚えています。「親が喜ぶような生き方をし、親が喜ぶような人間になりなさい」ということです。その意味は、自分の命を親のために使うこと。そして一族、地域、美しい国日本のために使うことでした。

 祖父は、徴兵され戦争の真只中を生きた自分の周囲の親族や友人たちが、それぞれに自分の命の使い方を考えたときに、あとから来る人、つまり次の世代の日本のために使っていると認識していたのだと思います。

戦後の教育は日教組の影響もあり、皆が皆あたかも天皇陛下のために自らの意に反して、または洗脳されて戦死していったというストーリーが覇権的になりました。中でも私の出身である三重県の日教組(三教組)は長きにわたり組織率100%、知事になるにも「三教組の支援が無ければなれない」と言われたくらいに力があり、私が受けた教育にも色濃くその思想が染みわたっていました。

確かに、そのような人たちもいたと思います。しかしそれは一つの側面でしかありません。実際に戦争を経験した祖父が、「親のため」そして「後から来る者のため」にその命を使っていた多くの人々を目の当たりにしているということも現実の一側面なのです。

倫理の教えでもこの「命のバトンもしくは襷」の話はよく出ます。先の例から「自分の命は決して自分だけのものではない」ということがよくわかります。戦後の教育ではこの一番大事なものが見落とされているのではないだろうかと考えることがしばしばあります。血を分けてくれた両親、さらには祖先があって今の自分があるわけですから、自分のためだけに命をつかうのではなく、報恩感謝の思いをもって親や先祖のために命を使っていきたい。さらに、この先の日本、人類、地球のためもこの命をささげたいと考えます。命を使うと書いて「使命」といいます。私たち人類の使命は上の代から下の代までに命の襷をつなぐことなのでしょう。その考えを基本としたならば、わざわざ「利他、利他」と騒ぎ立てなくとも全ての行動が自然に利他的になります。

最後になりましたが、倫理法人会には、学校教育では得ることができなかった根源的な人間教育という学びがあります。さらに切磋琢磨する仲間もいます。この学びは宗教や哲学と言った観念的なものではなく、実行・行動することが先で後から理屈がついてくるという真理の実践です。ぜひ一度モーニングセミナーにご参加くださいますようお願い申し上げます。

 三寒四温の時節柄、どうかご自愛専一にてますますのご活躍をお祈り申し上げます。

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